みたか探索マップ『三たか川ごえプロジェクト』

公開日 2023年06月19日

三鷹にゆかりのある地を実際に訪れて確かめる「みたか探索マップ」。みたか都市観光協会の企画委員会メンバーが気になるところをピックアップし、皆で掘り下げ実現する楽しいプロジェクトです。

第2回の探索地は、埼玉県川越市連雀町。そう、「連雀(れんじゃく)」がつく地名(町名)は三鷹市にもあります。調べてみると、全国には「連雀」がいくつかありました(群馬県高崎市、静岡県掛川市など)。今回はそのなかでも三鷹市から一番近い川越市連雀町を訪れることに決定。
川越市は「小江戸」と呼ばれ、多くの観光客が訪れています。観光施策などについて学ぶほか、川越市と三鷹市のつながりには「連雀」以外にも「徳川家康」にまつわる事柄があることから、それらの共通点を探ることで連雀に対する地域愛の醸成を図ろうというのも目的です。

三たか川ごえプロジェクト

日 時:2022年11月29日(火)
視察先:埼玉県川越市連雀町周辺
    ①一番街、時の鐘
    ②川越熊野神社
    ③喜多院、仙波東照宮
企 画:神原健太朗氏、山田浩之氏、渡邊安浩氏

​このプロジェクトを立ち上げた際、渡邊さんからすぐにロゴが提案されました。三鷹の「三」と川越の「川」がどちらも三本線で構成されていることから、縦横交差させたデザインとなっています。また、プロジェクトのきっかけを作った神原さんは、ご自身が川越市出身であることから非常にユニークなロゴを作りました。

三たか川ごえプロジェクトロゴ
三たか川ごえプロジェクトロゴ
川越三鷹ロゴ
川越出身三鷹在住ロゴ

ではさっそく当日の様子をご紹介します。
川越市まではバスで移動。広報担当者は乗車数分で車酔いしてしまい、Twitterによるリアルタイムでのレポートは諦めました…
企画者からはなんとも頼もしい資料が配られ、バスの中でそれぞれ説明がありました。

小江戸を探索

観光名所として知られている川越市。古い建物が建ち並ぶレトロな町並みで、都心から近い立地ながら、まるでタイムスリップをしたかのような非日常を味わえます。

蔵造りの町並み

まずは一番街付近、「蔵造りの町並み」を歩いてみました。

時の鐘

時の鐘
時の鐘は「川越市指定有形文化財(1958(昭和33)年指定)」であり、小江戸のシンボルです。江戸時代の初期である1627(寛永4)年から1634(寛永11)年の間に、川越藩主の酒井忠勝が、現在の場所(当時の多賀町)に建てたとされています。 度重なる火災により鐘楼が焼失してしまったため、1893(明治26)年に起きた川越大火の翌年に再建され、現在は4代目なのだそうです。一日4回(6:00/12:00/15:00/18:00)鐘が鳴らされ、音色の美しさから1996(平成8)年に「日本の音風景100選」に選ばれています。今回はタイミングが合わず聴くことができませんでした。残念…!

一番街

一番街
伝統的な建造物が並ぶメインストリートで「蔵造りの町並み」と呼ばれています。通りの両脇にはお土産屋やカフェが多く並び、どのお店に入っていいのかわからないくらい楽しいです。バス停も町の雰囲気に合うようデザインされており、着物や袴姿の人もちらほらいて、昭和時代にタイムスリップした気分が味わえました。さらに無電柱化することで、江戸情緒あふれる景観が作られています。

大澤家住宅
重要文化財 大澤家住宅
人力車
人力車
りそな銀行
埼玉りそな川越支店
まちかん
古美術 まちかん
トトロ
映画で観たことがあるシーン!
稲荷小路
おいしいお店が並ぶ稲荷小路

菓子屋横丁

続いて明治時代から続く菓子屋横丁へ。

菓子屋横丁の看板

菓子屋横丁の看板(味マップ)
一番街のすぐ近くにある菓子屋横丁。口の字に店が並び、こじんまりとした一つの街のように感じました。駄菓子屋さんアリ、食べ歩きできるお土産アリ、どこか懐かしい素朴で賑わいのある風景…眺めても良し食べても良しで、とにかく楽しい!焼きだんごや手焼きせんべいの焼ける香り漂う菓子屋横丁は、平成13年環境省の「かおり風景100選」に選ばれたそうです。

菓子屋横丁2

菓子屋横丁の街角
石畳の路地をぐるっと一周しながら、いろんなお店を楽しむことができます。一軒一軒じっくり見てしまうと時間が足りなくなってしまうので、まずは一周し、気になるお店から順に入るとよいかもしれません。いもようかんやおまんじゅう、おせんべいやソフトクリームなど、食べ歩きしやすいものが豊富であるのが嬉しいです。
企画委員会メンバーのせんべいさんは、何を隠そう駄菓子屋(せんべいの駄菓子屋さん)さん。菓子屋横丁の駄菓子屋に興味津々でした。

川越では江戸時代に焼き芋が流行った際に栽培が盛んになり、以降、流通面や品質の良さからサツマイモの大産地となったそうで、お芋のお土産も豊富。至るところで手に入ります。このほかにもプリンやチップスなどのスイーツもあり、バラエティに富んでいます。

ふ菓子
いも味の長~い ふ菓子
いもまんじゅう
いもまんじゅう
いもようかん
自家製の いもようかん
菓子屋横丁1
焼き立てのスイートポテトパイ

そのほかの見どころ

▼菓子屋横丁から一番街に続く門前横丁も、気になるお店が並びます。統一感もありよい雰囲気です。

養寿院前の通り
養寿院の立派なイチョウは撮影したくなります
門前横丁
養寿院側から見た門前横丁

▼そのほか、メンバーそれぞれが気になるお店を探索し、ひたすら食べ歩き。川越のスイーツを満喫しました。皆さんの事前リサーチのすごさに脱帽・・・限られた自由時間のなかで効率よく回っていました。攻略本が出せそうです。

glin coffee
glin coffee 元町1号店
あげパン
サクッ&ふわふわなあげパン(あんバター)
川越バウム
川越バウム Lab.
ブリュレバウム
バウムクーヘンにクリームがかかったブリュレバウム
亀屋十吉
亀屋十吉
ときのね
ときのね(河越バターどらやき)
モンブランアイスクリーム
栗歩 小江戸川越店のモンブランアイスクリーム
厄除けだんご
川越大師 厄除けだんご

▼一番街から大正浪漫通りへ

仲町観光案内所
仲町観光案内所
川越手織工房さをり
川越手織工房さをり

▼大正浪漫通りの先にある小江戸蔵里(くらり)には、おみやげ売り場やカフェがありました。

蔵里
蔵里の外観
ランチ
川越三元豚の角煮うどん&さつま芋プリン
利き酒自販機
利き酒用の自動販売機(コイン式)
熱燗
選んだお酒は熱燗にもできます

実はアニメの聖地

山田さんは、連雀町がTVアニメ『月がきれい』の舞台であることから、聖地巡礼を企画。アニメに出てくるワンシーンと同じ構図で写真撮影していました。
『月がきれい』の制作会社「有限会社feel.(フィール)」を設立した龍ヶ崎 誠さんは、三鷹市にあるアニメ制作会社出身という偶然!そして、主人公が通う学校は三鷹市の明星(みょうじょう)学園がモデルなのだそうです。連雀のキーワード以外にも共通点がたくさんあり、ご縁を感じます。

蔵造りの街並み
OP 蔵造りの町並み
菓子屋横丁
第8話 菓子屋横丁
時の鐘
第10話 時の鐘
熊野神社参道
第12話 熊野神社の参道

川越熊野神社

「おくまんさま」と呼ばれ、地元の方々に親しまれている川越熊野神社は、開運・縁結びの神様として信仰されています。御社紋は「八咫烏(やたがらす)」。八咫烏は日本サッカー協会のシンボルマークにも使われており、この日はちょうどワールドカップ開催の真っ只中でしたので、「必勝お守り」を購入するメンバーもいました。
境内には、足つぼロード(かなり痛くて、叫びながら完歩しました…)や銭洗弁財天(井の頭弁財天にもあります)などの参拝スポットがあり、平日にもかかわらず地元の方や観光客で賑わっていました。

月がきれいパネル

解説パネルの展示
境内には、川越高校漫画研究部が描いた解説が展示されていました。キャラクター紹介からあらすじ、熊野神社のご利益まで、漫画を添えて丁寧に描かれていて、『月がきれい』を知らない人にもこの場所がアニメの舞台(=聖地)だということが一目でわかります。地域に開かれた神社ならでは。

熊野神社

最終話(第12話)のエンディングシーン
アニメでは、遠距離恋愛ののち結婚した主人公2人が我が子を抱き、みんなが祝福するシーンが静止画で描かれています。全く同じように…とはいきませんでしたが、山車(だし)蔵と鳥居の位置を合わせ、賑やかな雰囲気を醸し出して撮りました。聖地巡礼って楽しい!

熊野神社の手水舎
第8話 手水舎(ちょうずや)
熊野神社
第11話 拝殿
八咫烏
熊野の大神のお仕え「八咫烏様」
むすびの庭
八咫烏様から一言いただくことができる むすびの庭

徳川家康にゆかりのある喜多院

渡邊さんは、井の頭公園検定(※)の1級に合格し、現在は月に1回「あか井の」として井の頭恩賜公園でボランティアガイドを行っています。井の頭恩賜公園には、徳川家康がその湧き水でお茶を淹れていたと言われている「お茶の水」があり、三鷹市は徳川ゆかりの地でもあります。
三たか川ごえプロジェクトを進める過程で、渡邊さんは家康が川越市にもゆかりがあることに気づきました。1616(元和2)年に静岡県の駿府城(すんぷじょう)で没した家康は一旦久能山に葬られ、のちに日光山に改葬されました。その際、川越の喜多院にて天海僧正により4日間法要が営まれたと言われています。
(※)都立井の頭恩賜公園100周年を記念して2012年~2017年に実施された検定。通称「いのけん」。全6回のべ1,023名が受験し、1級合格者はわずか26名。

多宝塔
多宝塔
喜多院の中庭
喜多院の中庭 ※屋内は撮影禁止
慈恵堂

慈恵堂(じえどう)
県指定有形文化財であり、潮音殿(ちょうおんでん)とも呼ばれています。喜多院には七不思議と言われる話があり、その昔、この広くて静かなお堂で正座をし耳を澄ませていると、ザザザー、ザザザーっと潮の満ち引きのような音が聞こえてきて、いつしか潮音殿と呼ばれるようになったそうです。
また、喜多院の周りには海が広がっていて、仙坊仙人が竜神様にお願いして陸地にしてもらいお寺を建てたという話も伝わっているそうです。

仙波東照宮

仙波東照宮
国指定重要文化財。家康の遺骸が日光へと移送される際に喜多院で法要が営まれたことから、1617(元和3)年、天海僧正により仙波東照宮は創建されました。この日は公開日ではなかったため中に入ることができず…

まとめ

三たか川ごえプロジェクトを企画した3人から感想をいただきました。


神原さん
私の現在の居住地である三鷹と、私の出身地である川越に、共通して「連雀」という地名が存在している。それを、日本無線の見学会(みたか探索マップ第1弾)の帰りに参加者の何人かにお話ししたところ、企画委員会の皆さんで川越に行ってみようという話になった。私はその後の企画委員会に続けて参加できないでいると、気づけばその企画が具体化され、マイクロバスで三鷹から川越に行くツアーの予定のお知らせが来た。ふとしたことがきっかけで、ものごとが動く。子どもの頃に訪れていた川越の各所に、この歳になって、三鷹の皆さんとともに足を運ぶことができたという事実。そして更なる広がりや考察にも繋がっていくこと。それらにある種の感動をおぼえた。

山田さん
2017年4月から6月にTV放送された『月がきれい』は川越が舞台のアニメ作品ですが、校舎は三鷹にある明星学園小学校がモデルとなっています。そんな繋がりから、三たか川ごえプロジェクトの川越散策の企画に、『月がきれい』に登場する場所を巡るアニメ聖地巡礼を加えていただきました。

「菓子屋横丁」や「時の鐘」、歴史ある蔵造りの町並みなどで、アニメ作品と同じ構図で写真を撮るなど楽しませていただきました。最後に寄った川越熊野神社の境内に、川高漫研(埼玉県立川越高等学校漫画研究部)の部員が作成した『月がきれい』や『神様はじめました』(第1期2012年10〜12月、第2期2015年1~3月放送)の解説パネルがあったことにも感動しました。神社の境内に地元高校生の手描きパネルが展示されていて、地域に愛されている神社だとわかりました。

今回の川越散策では、アニメと同じ風景を写真にたくさん収めることができました。他のアニメ作品では、作品イメージと異なる建物や看板を敢えて描かないこともありますが、『月がきれい』では川越の風景をそのまま描いているとわかり、制作会社「feel.」(小金井市梶野町)の姿勢に少し触れられた気がします。

渡邊さん
三鷹市と川越市の歴史的な繋がりを探してみると、「連雀」という町の名前があること、「徳川家康」つながりがあることの2点が見つかった。

  1. 連雀町
    川越の小江戸と呼ばれる一角に連雀町がある。江戸時代の城下町には、行商が連尺に荷を繋げたまま荷物を下ろし、そこに店を出したことから、連雀町となったといわれている。今の連雀町は、江戸時代には浄土宗の蓮馨寺(れんけいじ)の境内にあることがわかる。この蓮馨寺は、1602年に浄土宗の関東十八檀林(増上寺を頂点とする幕府公認の学問所)のひとつとなり、高い地位が与えられ、葵の家紋が許されたとのことで、徳川家ゆかりの寺なのだそう。今回の川越訪問では、事前の勉強不足で蓮馨寺に立ち寄らなかったが、大きなイチョウの木が印象的だったことを覚えている。
  2. 徳川家康
    徳川家康繋がりは、家康が井の頭池(三鷹市)をご巡見や鷹狩りで訪れたことがあり、その湖水を関東随一良質な水と褒め、「城内のお茶の水に用ゆるべき」と言ったという言い伝えがあること。家康は遺言により、亡くなったら直ちに久能山に葬り、1年後に日光に小堂を建て勧請(分霊)せよと命じていた。天海僧正により久能山から日光に改葬される途中、川越の仙波にて法要が行われたと言い伝えられている。そこが喜多院である。

また、川越は小江戸と言われ多くの観光客を呼び込んでいるが、何がそうさせるのか?古い町並みが残っており、一種の郷愁を誘う。菓子屋横丁などはコンパクトにまとまっていて、歩きやすい。案内標識も整備されていて、観光客にとっては便利である。
今回は「三鷹と川越の繋がり」を神原さん(映画)、山田さん(アニメ)、渡邊(歴史)がそれぞれの得意分野で調べて、それらを共有できたのが特によかった。今後、このような企画がまたできることを期待している。

企画委員会とは

三鷹市民を中心に、市内外で活動する個人や団体、企業など、観光振興等に興味があればどなたでも参加できる委員会。平成22年に発足し、みたか都市観光協会が事務局を担っています。
観光協会の事業協力のほか、「自分でやる」「人のせいにしない」「無理をしない」「人の話を聞く」という約束のもと、それぞれが自由な提案や協力依頼などを行い、実現に向けて人を繋げていく場です。

みたか探索マップ事業とは

企画案を具現化する取り組みとして、2019(令和元)年からテーマを設定し、それに沿った事業を委員で企画実施しています。2022(令和4)年度以降は「みたか探索マップ」と称し、市内あるいは三鷹市に関連する資源を発掘し、再発見した魅力(コンテンツ)をアーカイブ保存する事業に取り組んでいます。

地図

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