公開日 2024年06月01日
三鷹駅南口を出ると、広々とした見通しのいい中央通りがあります。
この歩道沿い、三鷹市にゆかりのある文人たちにちなんだ「4つのモニュメント」があることをご存知でしたか?
駅前広場や歩道などの整備と合わせ、商店会や市、文人たちの家族が協力して1978年から1992年にかけて設置したとされています。
“文学のまち・みたか”ならではのモニュメント。駅に近い順から紹介します。
三鷹駅前交差点近くにある「赤とんぼの碑」
4つのモニュメントのうち、いちばん初めに設置された「赤とんぼの碑」。童謡『赤とんぼ』は三鷹市防災無線の夕方の時報としても親しまれています。
36年間、三鷹市牟礼(むれ)に暮らし、三鷹市立高山小学校の校歌の作詞にも携わるなど、三鷹市と深いゆかりのある三木露風(みき ろふう)。「赤とんぼの碑」は、童謡『赤とんぼ』に登場する姉妹の様子が表現されています。
武者小路実篤の戯曲『人間万歳』を表現「地球を支える手」
- 青みを帯びた地球が印象的
- 台座には武者小路実篤の
プロフィールが綴られている
小説家・劇作家・画家など、幅広く活躍した武者小路実篤。1937年(昭和12)から1955年(昭和30)まで三鷹市で暮らしました。市役所の標札を揮毫(きごう:毛筆で書く)するなど市政発展に協力的な市民の顔も。1951(昭和26)年、三鷹市初の名誉市民に推挙(すいきょ)されました。神様と天使の軽快なやりとりが特徴の『人間万歳』。命懸けで地球の調和を実現させた人間を讃美した、神様と天使の想いがモニュメントに込められているかのようです。
太宰治と亀井勝一郎の友好関係がわかる「本のレリーフ」
- 太宰治と親交があった亀井勝一郎著の
- 『三鷹村・下連雀』
1939年(昭和14)9月から、玉川上水へ入水(じゅすい)する1948年(昭和23)6月まで三鷹市下連雀で生活し、執筆活動を行っていた太宰治。
モニュメントは、この地で執筆した『斜陽』の見開きに文芸評論家・亀井勝一郎の講評を重ねた、ユニークなもの。亀井の『三鷹村・下連雀』は、当時の太宰の暮らしぶりや人柄、三鷹のまちの様子などがうかがえます。
山本有三『生きとし生けるもの』の世界観を表現「未来を見つめる少年」
台座には「この世に生きているものは、なんらかの意味において、太陽に向かって、手をのばしていないものはないと思います。有三」と刻まれています。
小説家・劇作家、政治家としても活躍した山本有三。1936(昭和11)年から1946(昭和21)年まで三鷹市下連雀で過ごしました。代表作『生きとし生けるもの』は、同じ人間でありながら、恵まれた者・恵まれない者それぞれが抱える状況の違いや問題を描いた作品。有三の作品への愛情を、未来を見つめる少年と生命力あふれるひまわりで表現しています。
まちなみにとけ込み、当たり前のように存在する「4つのモニュメント」。近くに来る機会があったら、チェックしてみてくださいね。
以上、市民記者ミチコがお届けしました!
参考URL
【こやじぃのみたか四方山散策】中央通りのモニュメント
https://mitaka-fc.jp/docs/2020062700012/
防災無線による「赤とんぼ」の音楽放送
https://www.city.mitaka.lg.jp/c_faq/062/062890.html
三鷹市名誉市民(1)
https://www.city.mitaka.lg.jp/c_service/002/002065.html
太宰治の足跡コース
https://kanko.mitaka.ne.jp/_files/00019958/5_Area03.pdf
亀井勝一郎について
https://www.library.mitaka.tokyo.jp/blog?0&pid=687